wish
その日、友香は学校に来なかった。

友香が休むというのは本当に珍しく、恵利子も心配していた。


「ねぇ笹木くん、友香から連絡ない?私が連絡しても返事ないんだけど」

「だから、なんで俺に聞くんだよ」

「だって2人仲いいじゃない」


どんな理由だよ、

と言いたくなるような根拠を掲げ、恵利子はいつにもまして脅迫的だった。

せっかくの休み時間、机に突っ伏して寝ていようと思っていたのに…

恵利子には聞こえないように小さくため息をつく。


「…俺、宮内の連絡先知らないから、
連絡のとりようないんだけど」

「え、なんで知らないのよ」

「なんで、って…」


じりじりと詰め寄ってくる恵利子の目を見ないようにと、昇は窓の外に視線を移した。


「わかった、友香の連絡先教えるから連絡してみてよ」


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