wish

逃避

朝、目が覚めると、お腹がすいていることに気付き、ゆっくりとベッドから身を起こした。

昨夜、ちゃんと食事をしなかったせいだろう、と思考を巡らせた。

部屋のなかにある姿見の前にのそのそと移動し、そこに映った自分の姿を見る。

そこには、目が腫れ、赤くなった顔があった。


「かっこわる…」


友香はすぐさま姿見から顔をそらし、またベッドの上に移動し、体を横に倒す。


今日が休みでよかった。

こんな顔じゃ、学校になんて行けないし。


ぐぅ、と鈍い音が、お腹から聞こえてきた。

ため息をひとつして、友香はキッチンへと足を進めた。

母は、もう起きているだろうか。

少し重くなる気持ちが、友香の足を遅くさせる。


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