wish
第3章
過去
学校についたのは、ちょうど授業が終わった頃。
母に学校に戻るように言われたが、実際面倒だった。
しかし、荷物を教室に置いてきているし、
それに友香の言葉。
教室に足を踏み入れると、思った以上にまだ人が残っていた。
友香もその1人で、昇の目にすぐに飛び込んできたが、
咄嗟に目をそらす。
こちらにゆっくりと近づいてくる友香に気付いていたが、
気付かないふりをして、声をかけられて初めて友香のほうを見た。
振り向いて、目に入った友香はいつもと違い、
いろいろと気を使いながら話しているようだった。
話さないかと言われて、少し迷ったが、今なぜか友香と話したいと思った。
きっと、頭が混乱してるんだ。
「…いいよ」
友香と話してると、いつも自分が自分じゃなくなるみたいだ。
しかし、つい自分の気持ちに気付かないふりをしてしまう。