wish
文化祭
文化祭の朝は、いつものように、
何も変わることなくやってきた。
天気は快晴。
まさに文化祭日和。
この日ばかりは、みんなかなりのはりきりようで、
朝から学校の雰囲気はにぎやかだった。
友香も一応、朝早くに学校にと足を運び、
恵利子の指示で細かい最終チェックなどしていた。
疲れたわけではないが、軽くため息を吐き出す。
「どうしたの?友香」
「なんでもない…昨日、少し寝れなくて」
寝れなかったのは事実だ。
恵利子もその理由に納得したらしく、
「あぁ、なるほど」と、また自分の役割をこなしていた。
そろそろ始まる時間となり、体育館に集合する。
文化祭始まりの儀式として、校長先生が何か話をするのだ。
その時間になっても昇はまだ登校してこず、
友香は少し寂しそうな視線を窓の外にやった。
昇がこないのは、自分のせいかもしれないから。