朱色の悪魔

2


随分長く考えていた気がする。

だから、弟くんの目とバッチリ視線があったのは、少なからず驚いた。驚きすぎて反応できないくらいに。

「…っは!?」

「どんだけ考え込んでんだよ」

「…んー」

首をかしげると弟くんはニヤリとする。うん、すごーく嫌な予感。

離れようとしたら腕捕まれた。

「そんだけ頭働くってことは、まだいけんだよな?」

「ノー」

「問答無用」

即答したのに即答でバッサリ切り捨てられた。

逃げるに逃げれない。だからもちろん弟くんの意味の分からない決めつけに従う他なくて、なんとびっくり気絶した。

起きたとき、弟くんは部屋にいなくて、なぜか私はちゃんと服着てた。

「…夢落ち?」

だとすればあり得ないくらいハレンチだ!!

起き上がろうとして、腰が異様に痛くて倒れこむ。

おお!?夢じゃない…。

「何やってんだ?」

「あー」

いつの間に。醜態さらした。って今さらか。

弟くんは近づいてくると、意図も簡単に私を抱っこする。

おかしい。なんで私は動けないのに弟くんは私を抱っこまで出来ちゃうの?

…。
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