朱色の悪魔

「でもまぁ、ほどほどにね。やり過ぎて出血したら冗談じゃ済まないから」

「留榎」

…そうだ。何浮かれんだ。

今もジタバタしてる間に血が出たりしたら。じゃれあいで血が出たりしたら。

そしたら、もう…。

「朱音?」

「…はぁ…はぁ」

また、私のせいでいなくなったら。わたし、は…。

「朱音、ごめん。意地悪だった」

「っはぁ、はぁ…はぁっはぁはぁ…」

「朱音、大丈夫。落ち着きな」

苦しい。痛い…。

どうしよう、分かんない。わかり、たくない…。

分かりたくないよっ!

いないなっちゃえばいいんだ。私なんか、いなくて、いいんだっ!

しばらく経った後、急速に意識が離れていくのを感じながら、目を閉じた。
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