朱色の悪魔

組長は舐め回すかのような視線で私を見つめる。

だから、怯えるように身を縮めてずるずると後ろに下がる。

「…だ、だれ…」

「お前が知る必要はない。お前はただ、俺に奉仕すればいいだけだ」

「ほ…奉仕って…っ!?」

おい、おっさんどんだけ餓えてんだよ。こっちの情報では、昨日までバリバリ違う女子高生手玉にしてたんじゃねぇのか。

もういい。お前なんかおっさんで十分だ。

ベッドに組み敷かれて、おっさんの気持ち悪い笑みが自然と背筋に氷塊を落とす。

「抵抗するなよ。抵抗すれば、お前の恥ずかしい写真が世界中にばらまかれる」

「っ!?」

「俺のために鳴け。抵抗すれば、お前は一生逃げられない」

嘘吐け。逃がす気なんかねぇ癖に。

脱がされていく制服をぼんやりと眺め、おっさんの手の動きに集中する。

ほんとは、嫌だけど…でも、こうでもしなきゃ、私は…。

「っ…いやぁぁああ!!」

泣くことさえ、出来ないんだ。
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