おばあちゃんが死んだ日

だからこそ、安心してしまっていたのかもしれない。
どうせ今回も大丈夫だろう。
どうせ退院するんだろう。
そんな甘い考えを。

医療従事者として、一人の家族としてそれはあってはいけないことなのに。
どうして気が付けなかったのだろう。


どうせ大丈夫、そう思ってしまったことで祖母に会いに行く回数が少なくなっていた。
親に「おばあちゃんに会いに行かない?」と聞かれても、友人達との約束を優先した。
四つ下の弟も受験勉強を優先させ、祖母に会いに行くことはなかった。
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