それが伝え方なのです



家の中でならともかく、外であれこれ脱いじゃうわけにもいかないし。そんなことをしたら即連行だ。


まぁ中には「え、これ大丈夫なの?」と思っちゃう格好の人もいるけど。わたしには無理だ。



「ま、もうすぐ夏休みになるし家の中で涼しく過ごせるでしょ」


「一理あるけどあたしは今クーラーを求めてるの!!」



パシパシと机を叩きながら頬を膨らませるゆーみんにズキュン。


こ、このアングルでのこの表情……たまりません。胸がドキドキしまする。


胸を押さえて悶えるわたしはいつものことなのでスルーの方向でゆーみんとさーやんは話している。ちょっと切ない。



「あっ、そーだ!」



ガタッ、という音とともにゆーみんが椅子から立ち上がり、いいことを思いついたとばかりにキラキラした表情を浮かべた。


おおう、ここ最近暑さにやられてご機嫌ななめだったゆーみんが復活した。


何を思いついたんだろうと首を傾げるわたしに対してさーやんはいい予感がしないのかちょっと嫌そうな顔をしている。



「ねぇねぇやっちゃん。夏と言えばぁ?」


「へっ?!」



な、夏と言えば?!夏と言えばって、えーっと………うぅ、そんなに期待に満ちた目で見ないでおくれ。





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