Truelove~愛すること~
次の日
いつも通りバイトへと向かった
今日は朝から昼までだから
終わるのが少しはやい
___また昼時のころだった
「いらっしゃいませ‥‥‥‥‥」
あの男‥‥‥‥‥‥京平だったっけ………………
今日は一人だった。
京平とかいうやつは
あたしに近づいてきて
「お前バイト終わるの何時。」
はい?!なんであんたなんかに教えなきゃいけないんだよ!
「あんたなんかに関係ねぇだろ」
「いや?話したいことあるから」
だから教えろといってきた。
「…昼で終わりだから、…………あと30分であがる。‥」
「わかった。」
__すぐに終わりの時間が来て
着替えて外に出ると
あの男が待っていた。
「話って何。」
「お、来たか。」
あたしはそいつを無言で睨んだ。
「んな、睨むなよ。ここじゃあれだからあっちの方に行こうぜ。」
「なんで。別にここでいいじゃん。」
「いいからこい。」
あたしの手を掴んで歩き出す男。
「ちょちょっ、はあ?」
抗えるわけもなくそのまま連れて行かれる。
何なんだよ!!
あたしをどこに連れて行く気?
思いっきりこの男を睨んでやった
「なぁ、お前名前なんていうの。」
背中越しにこいつが喋る
「…………なんで。」
「なんとなく。」
「………倉沢千紘…………」
「千紘な!」
「……あ、あんたは?」
「おれ?棗 京平。」
棗っていうんだ…………
______
この日やっと
あたしは棗の名前をちゃんと知った
棗……………
この日から
あんたの名前
忘れたことなんて
一度もなかったよ。