Truelove~愛すること~
街を歩いてた。
「……ねぇねぇ、君一人?一緒に遊ばない?」
ナンパか…………
面倒くさいな。
「悪いけどあんたらみたいなのにかまってる暇ないから。」
まっすぐに見上げてそう言う。
「っんだと!このクソ女。ちょっとカワイイからって
調子乗んなよ!!」
「あんたらもクソだけどね。」
「おいテメェ。いい加減にしとけよ!!」
男二人が女一人に何やってんだっつーの………
とっととどっか行けよバーカ。
三人とも思ったより声が大きかったらしく
たくさんの人の注目を浴びてた。
男たちは居心地が悪くなったのか
「オマエ覚えとけよ。」
一言言ってその場を離れた。
何が覚えとけよだ。
二度と会うわけねーだろハゲ。
去っていった男どもに向けて心の中でそう言った。
…………………_
カフェに入って、
一人でケータイをいじりながらミルクティーを飲んでた。
その時だった。
「千紘?」
え?
顔を上げると
そこに居たのは
「…………おねぇちゃん?……」
「やっぱり!千紘元気だった?」
「うん。おねぇちゃんは?」
「まあまあかな?」
おねぇちゃんは、あたしが唯一信じれる人。
大好きな人。
今は結婚していて少し離れたところに住んでいる。
「久しぶりだね。なんでこんなとこにいるの?」
「ちょっと用があってね。夕方にはあっちの方に戻らなきゃだけど」
嬉しい。
おねぇちゃんに久しぶりに会えた。
ふと、おねぇちゃんのお腹を見ると
ほかは細いのにお腹だけが大きい。
もしかして…………
「おねぇちゃん…。赤ちゃんできた?」
あたしがそう言うと、おねぇちゃんは柔らかく微笑んで
頷いた。
「おめでとう。」
「…ありがとう。」
おねぇちゃんお母さんになるんだ。
すごい………
「………あ、ごめん千紘。用事に行かなきゃ。」
「えっ?ああいいよ!行ってらっしゃい!」
「うん。じゃまたゆっくり話そうね。」
おねぇちゃんを見送ってまた座る。
__________……
ねぇおねえちゃん。
約束したよね。
また話そうって。
またって。
おいてかないでよ。
あたしを一人にしないでよ。
いなくならないでよ。
おねぇちゃん。
おねぇちゃん。
おいてかないで。