Truelove~愛すること~
「え、千紘?なんで」
「教えて。棗のことを。」
「‥だから、前にも言ったろ。あいつは女作って‥‥‥‥‥」
「嘘はいいから!!もうわかってるから!!
…………一昨日病院であったんだよ。」
あたしの言葉に
心苦しそうな顔をするみんな
「……本当のことを教えて」
「……………わかった。ちょっとそこ座れ。」
言われたように座る
「……どこから話したがいいんかな……」
みんなを代表して
棗と一番仲の良い
圭太が話してくれた
______
棗が海に連れてってくれた三日前
湘南TRUTHのみんなで集まってたらしい
バイクで走って
楽しく過ごして
いつもと変わらない日
帰り際だった
いきなり棗がぶっ倒れて
呼吸もままならなくて
苦しいって
そう言った
救急車を呼んで
集中治療室に入れられた棗
次の日の朝
棗は目を覚まして
状態が良くなってから
医者に呼ばれた
圭太はそこから話さなくなって
静かに泣いてた
「……っそれでっ、医者との話が終わったあと俺らに言ったんだよっっ……」
「………『俺、癌だった』ってよ……!!あいつ笑って言うんだよ………」
頭が真っ白になった
棗が
癌?
「……ハハッ何言ってんの。そんなわけないじゃん。
棗が?ありえないありえない。」
乾いた笑いが
響く
「…俺らだって嘘だって信じてぇよ……!
けど……どうしようもねぇんだよ………」
「棗さ、千紘には言うなって。
心配かけたくねぇって。
あいつにはまだ未来があるから邪魔したくねぇって………!!
そう言ってたんだよ………」
馬鹿じゃないの
何それ…………
「そんであいつ一日だけ外出許可もらって
お前海に連れてくって。それで会うの最後にするって。」
最後までお前の事ばっかだったんだよ………
連絡取れなくなったのは
あたしのため?
なんだよそれ
勝手に最後とか決めんなよ
会いたいよ会いたいよ
一人で苦しまないでよ
あたしを頼ってよ
………棗…………………