善悪の境界線
「……ところで、契約規約ってなにが書いてあったの?」
私は突然不安になり、聞いてみる。
「ああ、まぁ大体さっき言ったのと同じよ。死なない保障はないってこと。あと事細かなことはのちに説明していくけど……一つだけ、大切なことがあるのよ。」
夏期が答えてくれた。大切なこと……?
「左手の小指を見て。」
そう言われて、見てみる。すると、爪にドラゴン、というか龍の模様がついていた。
「うわぁ!な、なにこれ!」
こんなの、初めて見た。
「それが契約の証。そして、そこに触れながら、クリスティア、って呼んでみて。」
え?え?と、とりあえずやってみよう。
「く、クリスティア…?」
するとパァとゆびが光り、光りが消えるとそこにはクリスティアが…って、これクリスティア…?
「……なんか、形変わってない…?」
さっきまでは火を吹きそうなドラゴンって感じだったのに、今はどちらかというと…蛇のような、いわゆる龍って感じの形になっている。そして、も、ものすごく大きい。さっきは手の平サイズだったのに、今は見上げないと見れない。どこからどこまで体があるか分からないくらい。
「……我はクリスティアだ。形態が変わったな。」
龍の口から声が聞こえた。あ、クリスティアなんだ。良かった…でも、なんか声もたくましくなってる。
「……それも、契約の証なの。守護神は主人と契約することで真の姿になれるのよ。」
夏期がクリスティアに目を向けて言う。
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