摩訶不思議目録2
「変なながったらしい名前だね。」
僕は言う。
「何だと。」
トレインは僕を軽く小突く。
「まあ、生命力が集まったとしても俺は時空を修復しようなんておもいやしないさ。」
彼は言う。
「では、他に使い道があると。」
師匠が言うとトレインは頷く。
「生命力。つまり魂魄を集めれば人一人生き返らせる事ができるらしいんだ。」
用は生き返らせたい人がいるらしい。
すると不意に大きな地響きが僕らを襲う。立っていられず地べたにはいつくばる。
「ギキアァァアアァァアァァァ!!!」
地響きとともに駅を大きな陰、そして目の回るような叫び声が聞こえ、誰もが驚いた。
地響きがおさまり、砂が舞い上がった。
僕は顔をあげ、そして目を疑った。
「巨大な....人骨..!!」
そこには、巨大な人の形をした骨。巨大な人骨が揺らぎ、鉄の線路を踏み潰し歪ませていた。
「9,10m....」
けゐは青い顔をさらに青くして言った。
「がしゃどくろ..!!」
師匠は顔を上げて叫ぶ。
「がしゃどくろ..?」
僕が聞くと、師匠は答える。
「人の怨念で出来た妖怪です。ですが、これは一人の人間の怨念でできているようです。一人の怨念の割には濃い怨念です。」
叫びつづけるがしゃどくろを師匠は睨む。横にいるトレインは左腕を掴んでいた。
「左腕が....!」
僕がそう言って見ると、左腕が透ける用にして欠損していた。
「数年前から体が削れるようになってきたんだよ。なんなのかとは思っていたけれど、時空が壊れると自分も壊れていたみたいだ。」
その手は震えていた。足もそうしてなくなったのだろうか。
「おしゃべりもいいですが、こちらに気づいたようですよ。」
けゐは言って震え上がった。
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