すきだから
普段ニコニコしている人ほど怒ると怖いって言うけど、千歳はそういうタイプ?

・・・って、なんでコイツにそんな風に言われなきゃいけないのさ。

千歳の彼女でもなんでもないのに、そんな事言われる筋合いはないんじゃないの?


「わ、私が何考えてようと勝手じゃん!」

「お前が良くても俺が良くない。すげえ気分悪くなるから、考えないで」

そう言うと、私の手をグイッと引っ張って無理やり手を繋ぐ。
突然の事で妙な奇声を上げてしまう。

「な、なにしてんの!?」

「手、冷たい。寒いんだろ?温めてあげる。それに、こうしておけばアイツの事考えないだろうし」

千歳はニヤリと笑いながら、繋いだ手をさらに強く握った。
大きくて温かい千歳の手が、私の手を覆う。
千歳の体温が私の手に伝わって、じんわりと温かくなる。



言葉通り、頭の中は真っ白になった。



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