片道のRe:
「タケトすごいよ、ちょー勉強頑張ったんだよ! あ、ちなみに医療大っていっても看護学科ね。医師じゃなくて、看護師のほう」

「そうなんだ……」


どちらにせよ、笑顔の裏で相当努力したであろう先輩の姿が目に浮かび、堪らずきゅっと唇を噛んだ。

パズルのピースがはまるかの如く、ぴったりと辻褄が合ってしまった。

先輩が現在も『在学中』な理由は、ここにあったのだ。


「ワカ、よかったら連絡してやってよ、タケトに」

「え? なんで私が……」

「別に深い意味はないけどさ? タケト、懐かしい話大好きだから!」


続けて店員を呼び止めるリノ。
その横顔に確かな明るさが戻ったことを確認して、ほっと胸を撫で下ろす。


「……けど、所詮私は後輩A子だよ。エキストラだよ」

「は? エキストラ?」

「そ。私のことなんか覚えてないだろうし、そもそも何て声かけていいのか分かんない」


私は握ったままだったフォークを思い出して、ようやく皿の上に手放した。

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