片道のRe:



リノと別れて帰宅し、私はいつもの所作と同じく、スマホを片手にベッドに飛び込んだ。

揺れるスプリングを背中に感じながら、帰りの電車でもずっと眺めていた先輩のプロフィールページを再度開く。


あの頃の私は、とにかく失うことが怖かった。
想いを知られ、フラれでもしたら、私は先輩を眺めることすら許されなくなってしまいそうで。

私にとってはあの『距離』こそが、何よりもの幸せだったのだ。


ならば。今の私はどうだろうか。
何か失うものはあるだろうか。

――考えるまでもない。

私には今、同棲中の彼氏がいて、両想いの幸せを得ている。

例えここで先輩に何かを否定されたとしても、今の私の幸せは揺るぎない。

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