キミへ
でもそんな笑顔もまた
可愛いと思ってしまう。



むしろそっちの方が可愛かった。



また消えてしまいそうなあいつに
なってしまうくらいならいっそ…



いっそ自分の腕の中に
閉じ込めてしまいたい。



「は、る…と?」



小さく響く澄んだ声。



俺は無意識にマヤを抱きしめていた。



強く、強く。



その細い体を壊してしまいそうなほど。



ふわっと桜の香りがする。



…あれ?この匂いどこかで…



「やめてっ!!」
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