キミへ
校門前の桜の木の前で見かけた
ロングヘアの綺麗な女。



今まではないくらいに
つい見入ってしまった。



もう1年前くらのことになるが。



あれからその少女は見つからず、
恋に発展しないまま終わっていた。



「はると、休み時間だよ~」



着替え終わったそいつは時計を指さして
図書室のドアを開けた。



4限目地理か…。



だりぃな…。



「俺ねみぃからサボる。
お前はちゃんと授業出ろよ?
赤点取ったらやばいんだろ?」



そう言うとケチーといいながら
出て行ってくれた。



静かになった図書室に寝転がる。



あー楽しいことねぇかなぁ。



少し眠ろうと目を閉じた瞬間、



誰も来ないはずのドアがガラッと開いた。



さっきの女帰ってきたのかよ…。
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