桜の降る日に


『とりあえず元気な顔見せろ』


こっちを向かせてフードを取る。


「……やっ。」


こいつが拒否しようとしたときにはもう遅くて
久しぶりに見る顔が目の前にあった。



目にいっぱい溜めた涙とぐしゃぐしゃな髪。


『くるみちょっと痩せたんじゃね?』


そう言って頭を撫でてやると


「……うっ。…………っっ。」


糸が切れたように声を殺して泣き始めた。

< 41 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop