桜の降る日に
ぼーっとしてしまった俺を引き戻すように翠は話を続けた。
「大和びっくりしたでしょ~。
俺あの子のこと言いたかったんだよね。」
『なんでここに女がいるんだ?』
「よくわかんないんだけど、
気づいたら馴染んでた~
多分、緋里が連れてきたんだと思うよ。」
緋里っていうのは赤髪の奴。
西城緋里(さいじょう ひまり)
あんな厳つい見た目でひまり。
ギャップってやつだと思う。
『あの女どんなやつ?』
「大和眉間に皺!
あの子いい子だからそんなに警戒しなくても良さそうだよ。」
『へー。』
いい子。ね。
まあ、どんなやつなんてそのうちわかるか。
そして、翠と一緒に緋里の方まで歩いた。