桜の降る日に
「大和久しぶりじゃん。」
会話をとめて近づいた俺に緋里は言う。
『おう、久しぶり。』
その声で振り向く女。
こっちを向かれ後ろを向いてわからなかった顔が露になる。
白いきれいな肌に長いまつげ。
しっかり化粧をしていて
でも、ケバくはない。
自分の顔を理解していてパーツをいかしてる。そんな感じ。
「はじめましてー!
名前は竜王くるみ!よろしくね!」
そいつ竜王くるみ(りゅうおう くるみ)は目を見てにかっと笑いながら言った。
少し苦手なタイプかもしれない。
『おう。柳井大和。よろしく。』
真顔でそういう俺は
「大和もうちょっと笑いなよ~!
笑顔が足りないよっ!」
翠に指摘される。
笑うとか
『無理。』
「即答かよっ」
と、突っ込む緋里。
「あははは~!大和クールなんだね」
その様子を見て笑うくるみ。
くるみのことはまだなにもわからないし、
正直今のところは苦手だけど
こんな日も悪くないな。なんて思えた。