掌
全身から、冷たい汗が吹き出る。
“もういい”
達也、怒ってる……。
でも怒鳴ったり、殴ったりしない。
あたしの顔を見てくれない…。
あたし
嫌われた?
もう怒る価値もなくなった?
…殴る価値もなくなった…?
あたしの顔も見たくないの?
一番避けたかった状況が、今、起こってるの…?
どうすればいいのか、分かんない。
「達也…ごめん…ごめん…」
とりあえず謝る事しか、頭に浮かばなかった。
でも達也は背を向けたままで、あたしの言葉なんて、まるで聞いてないみたい…。
「嫌いに…ならないで…」
震える手で達也に触れようとしたら
「もういい。帰って。」
さらに冷たい言葉があたしに突き刺さる。
ここで泣きわめいたりしたら、さらに嫌われると思って
「また…メールするね…ごめんね…」
涙をこらえての精一杯の言葉を残し、あたしはアパートを出ていった……。