掌
「昨日、健太と二人で会ったんだけど……」
健太君……?
「歩ちゃんを殴るらしいな……って、女の子に手ぇあげるなんて最低だぞ……って、説教された。」
達也は天井を見据えたまましゃべる。
なんで健太君が、あたしが達也に殴られる事知ってるの…?
理由は一つしかない。
真奈美が言ったんだ。
「達也っあのね……」
弁解しようとするが、達也は決して、あたしの目を見てくれない。
「…恥かいたよ。俺のいない所で俺の悪口言ってたの?」
達也の表情が少し変化する。
「俺らの問題だろ?なんで関係ない奴に言うんだよ……。」
眉を寄せて…怒っているような、悲しいような…そんな顔。
「達也…ごめん。でも愚痴とかじゃなくて……」
壁の方に寝返りをうって、必死なあたしに背を向け
「…もういい…。」
小さく冷たく言い放った…。