掌
「俺って……嫉妬深いんだよね!」
アルバムを勢いよく閉じて、達也が元気よく言う。
口調とはまったく違う
その時の達也の痛そうな、苦しそうな顔つきは
過去に、この二人の間に何かがあったんだろうな……と、勘ぐってしまう。
普段の達也からは想像できないほど、達也の口はよく動いた。
達也の話している事は、決して開けまいと己に誓った、心の中の引き出しにしまい込んであった事だったんだろう。
そして今
俺の好奇心とアルコールの力で、その引き出しをひっくり返している。
俺は、やっぱり聞いておいてよかったと思った。
達也、でっけぇトラウマ抱えてたんだな。
過去の自分が怖くて『恋愛』自体、怖いんだな。
確かに『恋愛』は怖いよ。
でもその分、好きな人が隣に居てくれた時の幸せは、何物にも変えられない。
そんな幸せを感じられるのは、勇気を出して『恋愛』に挑んだ奴らだけの特権なんだよな。
だから、達也。
お前も頑張って挑んでみようぜ?
目指せ、健太・真奈美カップル!だぜ?
応援すっからさ。