掌
「…達也……どうした?」
「えっ?」
俺の急な問いかけに、達也の体操服を脱ぐ手が止まった。
バドミントン勝負が終わってから、こころなしか、達也の機嫌がいい。
「お前と歩ちゃん、負けたんだぞ?なのに、なんで機嫌いいの?」
「別に機嫌よくないよ。」
俺の方を見ずに微笑みながら答え、また着替えだした。
絶対、機嫌いいじゃん……。
そんな達也を少し謎に思いながら、更衣室の鏡を覗きこんで汗で乱れた髪をいじっていると
俺の背後から、達也が思いもよらない呟き。
鏡ごしに、驚いた顔をする俺と目があった達也は
なぜか俺以上に驚いた顔をして、真っ赤になった。
「……俺、今お前になんつった?」
そう聞く達也の方を、勢いよく振り向いて俺は答えた。
「『歩ちゃんの事、好きかもしんない』っ!」
男の汗の匂いが漂う更衣室はいつもテンションが下がるが
今日は違う。
はしゃぎまくった。