掌
「達也君に、手ぇあげるのやめな、って言ってくる!」
真奈美は、興奮気味でトイレを出ていこうとする。
「ままま待って!!」
慌てて、真奈美の腕を掴む。
「あたしは大丈夫だから!達也に言わないで…?」
「なんで?!このままじゃ絶対ダメだって!!」
真奈美は、あたしの掴んだ手を離そうとするが、あたしは離さない。
「達也、普段は優しいもん。叩くのは怒った時だけだし…あたしが怒らせるんだし……。」
「怒らせるって言ったって、昨日は、歩が小川君としゃべっただけで怒ったんでしょ?!」
あり得ない!と真奈美は叫んでいる。
「でもそれは……あたしの事好きでいてくれてるからで……」
束縛だとはちょっと思ったけど……。
「だから達也には言わないで!!」
あたしの必死さに、真奈美はトイレから出ていこうとするのを
やめた。