ロールキャベツは好きですか?

「田島祥吾だよ。お前の直属の部下だよな?」

「この写真……いつ……」

スマートフォンの画面にハッキリと写った横顔は、いつも見慣れたあの横顔。
さっきもこの人の笑顔に癒やされてた。

「こないだの金曜日。会社の近くでだったから、大胆さに驚いたよ」

平然と笑わないで。
嘘だと言って。

「どうだ?俺が誰かと居ようがあいつは文句を言えない」

こないだの金曜日。
祥吾くんは友達と呑みに行っていた。
確かにあの日、私たちは一緒に帰らなかった。

「だからさ、今夜どうだ?俺に求められるの、お前好きだろ?」

身を屈んで囁いてきたから、思ってたよりも近くに顔があって、私は我に返った。

慌てて身を翻して、ドアにある鍵に手をかけた。古くなってなかなか解錠してくれない鍵に苛立つ。

ガチャンッ!!

大きな音をたてて、やっとあいた!と喜んだときだった。

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