ロールキャベツは好きですか?
夜の病院は暗くて、人の気配が全くなかった。
歩くたびに自分の足音が響いて、それが不気味に思った私を見抜いたのか、祥吾くんはそっと私の腕を掴んで歩いてくれた。
その温もりが安堵をくれる。
「救急外来はこっち」
車の中で話してくれたが、おじいちゃんが運ばれた病院は、祥吾くんの実家の近くらしい。
そこそこ大きな病院だが、幼い頃からちょくちょく家族の誰かしらお世話になっているらしいから、院内を歩く足取りは慣れたものだ。
あっという間に、先に救急車で到着していたおじさんのところに連れて行ってくれた。
「来たか。祈梨」
「姉ちゃん……とあれ?田島さんまで?」
病院のソファには、おじさんと洋平がいた。
私の隣に祥吾くんが立っていることに、二人とも驚いていた。