ロールキャベツは好きですか?
次に意識を取り戻したとき、私は病院にいた。
隣で見守っていてくれた母が手を握りしめながら、何があったのかを説明してくれた。
「子宮外妊娠だったの」
「……子宮外……妊娠……?」
独身男性である祥吾くんには聞き馴染みのないワードらしく、彼は首を傾げている。
彼以外のみんなは大体のことが理解できたのか、重苦しい空気を纏い、俯いた。
「本来とは違う場所に受精卵が着床してしまった妊娠のこと。私の場合は卵管だった」
あのときのショックは忘れない。
お医者さまには子供がまだエコーに映らないことを不思議がられ、様子を見ましょうと言われていたところだったのだ。
子宮内にいないから、エコーには映らなかった。
「子宮外妊娠はね、見つかったとしても、治療方はないの。……だから、卵管ごと受精卵を切除するしか無かった」
受精卵の切除。
それが意味することは、"死"
私は子どもを殺した。
最低な母親だ。
「実は高校時代にも手術を受けていてね。反対側の卵管も切除しているの。そのときは卵管同士が付着してしまっていたから……」
「じゃあ、今回の妊娠で両方ともの卵管を切除したんですね」
向井さんが呟き、顔を上げた。
その瞳には涙が溜まっている。
「……両方の卵管が無ければ……卵子の通り道がない。だから、もう、妊娠できない」
向井さんは鼻を啜り、忍は腕組みをして、佐藤さんはお腹に手を当てた。
祥吾くんは視線を落としたままで……その表情は見えない。
「私が子どもの命を奪ったの。だから、子供を産めない身体になってしまったのは、当然の罰だよ」