ロールキャベツは好きですか?
それはそうとして。
10月の冷え込みが気になるこの頃に、床にいつまでも主任を寝かせているわけには行かないよな。
「主任……とりあえず立てますか?」
「……う……ん」
「送りますから、帰りましょう」
会社の前までタクシーを呼んで、二人で乗りこんだ。
意識が朦朧としていて、されるがままの主任を電車に乗せて帰るのは不可能だと思ったからだ。
「主任……寝てていいですよ」
タクシーの後部座席でそう声をかけると、俺に遠慮してか、主任はタクシーの窓ガラスに頭をつけて寝ようとした。
しかし、道が揺れるたびに頭がぶつかるのが鬱陶しくなったのか、小さく不満そうな声を漏らしたあと、隣に座る俺の肩にもたれて寝始めた。
彼女の柔らかい髪が俺の首に触れて、思わず、身体が震えそうになったが、彼女に頼られているようなのが嬉しくて、思いとどまった。
僅かな安眠を邪魔したくない。
肩の重みに緊張しながら俺は窓の外を眺めていた。