ロールキャベツは好きですか?

「お腹空いた……でもその前に喉が乾いた」

「お水持ってきますね」

彼はキッチンから水の入ったコップを持ってきてくれた。

身体を起こしてその水を飲み干すと、自分の着ている服を見た。

昨日一晩で随分汗をかいたんだろうな。
服装は昨日のままで、汗で服がへばりついて気持ち悪い。

無意識に着ていたシャツをつまんでいると、田島くんがやや視線を逸らした。

「すみません。汗かくし、スーツもシワになるってわかっていたけど……起こすのも辛そうだったし、かと言って、着替えさせるわけにも……」

言葉の最後はゴニョゴニョと口ごもってしまった田島くんは、きっと昨晩色々と葛藤させてしまったんだろう。

「昨晩色々と迷惑かけちゃったよね。ごめんなさい!」

自分の体調管理ができないなんて、社会人として情けない。

無理してるつもりはなかったんだけど、佐藤さんの忠告素直に聞いとけばよかった。
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