ロールキャベツは好きですか?
田島くんは小さく息をついてから、キッチンへ向かう扉のドアノブに手をかけた。
「キッチン借りますね。お粥でも作ります。その間に楽な服装に着替えて、体温測っといて下さい」
「あ、あの……!」
私より少し背の高い背中に声を思わず声を掛けた。
「着替えは手伝いませんよ?さすがにそこまでの理性は持ち合わせていませんから」
「え、いや……」
そんなこと頼まない!
先に宣言されなくても、頼まない!
「今、主任のこと食べたくて仕方ないんですから」
肩越しに振り返った彼の瞳に、肉食動物が持つ強い光を見た。
いつの日か感じた、草食系の中に隠された肉食の気配。
その瞳が放つ強烈な色気に、私は一瞬、息を呑んだ。