ロールキャベツは好きですか?

飲み会は2時間ほどでお開きとなった。

二次会に誘われたけど、断る。
お酒は嫌いではないけれど、カラオケで騒ぐのは苦手だ。

松谷課長と佐藤さんも二人仲良くタクシーで帰っていった。

まだ電車が動いている時間だったので、私は徒歩で駅まで向かう。

外灯の明かりで浮かぶ自分の影を見つめながら、帰っていると、私の隣に影が増えた。

「一緒に帰りましょうよ。主任」

田島くんだった。

「二次会行かないの?」

「俺はカラオケ嫌いなので」

「あ、同じく。歌下手くそだしね」

「確かに主任が歌っているの、聞いたことありません」

前だけ向いて歩いていたけれど、隣で朗らかに笑った気配がした。

彼は私よりも身長が高いし、脚も長いけれど、私のスピードに合わせて歩いてくれている。

「主任。疲れてませんか?」

この子も、佐藤さんと一緒で、よく気が利く。

「疲れてないわ。平気よ」

「無理してません?……一応、元カレの結婚祝いも兼ねているのに」

今日のメンバーで、忍と私の関係を知っているのは、当事者を除くと田島くんだけだ。

だから心配らしい。

「大丈夫。松谷課長のことはちゃんと整理できてる」

横顔に視線を感じた。
余りの視線の強さに、耐えきれず左を見る。

「本当ですか?」

「本当よ」
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