愛しのモンティー
謎の男現る

「そーだな……敢えて言うなら、

その“じめっ”とし性格と酒癖の悪さ?」

「ぎゃぁあああーーーあなた誰よ」

愛猫のモンティー(ロシアンブルーMIX)を抱きしめながら、

酒を飲んでくだを巻いていた私は滑らかに響く低音美声に腰が抜ける程に驚愕した。

何故なら私は一人暮らし。

それはもう長――――い間

恋人呼べる人の存在など皆無。

それはそれは清い生活をしているのだから驚いたのも

至極当然と言えば当然の事だった。

更なるショックは……

その声の主がとても若い男性(多分二十歳そこそこ)だったから。

しかも私はその彼の頭を胸に抱いているという異常な状況だ。

ガバッといきなり立ち上がったから男の頭がフローリングの床に

ゴンッと鈍い音とを立ててぶつかるがそんなことには構っていられない。

「モンティー。モンちゃん、モン助、モン太……

ふぇえええーーーん

嫌だーーーどこに行ったの?

モンティーーー」

御年29歳の女が悲痛な絶叫を上げて、1LDK分のスペースしか無い部屋の中をさまよい歩き、愛猫の名前を半狂乱になりながら呼び続ける。

非常に無様な醜態を晒す事も全く気にならない程に酔っていたし、

居なくなったモンティーの事が心配で心配で堪らなかった。


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