素直になれない7センチ
軽く会話をしてから内線を切り、次の仕事を確認。
うーんと……あとはメーカーにサンプル依頼っと。
メニューチームから依頼がきた商品は丸栄のやつね。
暗記している相手の社内用携帯の番号を押して電話をかける。
慣れってすごいな。いつもかけてると自然と覚えてる。
「はい、丸栄の佐々木です」
「お世話になっております。キクマの新藤です」
「お世話になっておりますー」
「佐々木さん、濃厚ストロベリーソースのサンプルを追加で二つほど明日の昼までに手配お願いしたいのですが……」
一月から始まる苺メニューの試食会が明日行われる。
メニューチームが試作を現在もしていて、明日の試食会用の濃厚ストロベリーソースが足りない可能性があるので追加で取り寄せをしてほしいと頼まれた。
そういう依頼をメーカーにかけるのも私たち購買部の仕事だ。
「かしこまりました! 手配でき次第、ご連絡します」
「よろしくお願い致します」
電話を切り、ようやく一息。
あとやることは……
「おつかれさまです」
隣に感じる気配と頭上から聞こえてきた声に背筋をピンッと伸ばす。
ドク、ドクッと心臓が騒ぎだして、手のひらに汗が滲む。