素直になれない7センチ
————時計の針が九時を指した頃。
「うあー! 終わった〜」
ようやく明日のプレゼン資料が完成した。
帰ったら即行お風呂はいって寝よう!
あ、でもお腹空いたしコンビニでおにぎりでも買って帰ろう。
腕と背中をグッと伸ばして、開放感に浸る。
長い一日だったなぁ。
気づけばオフィスには私だけしかいなかった。
この会社はなるべく残業はしないようにと言われているから、残業をしていても八時くらいには誰もいなくなることが多い。
さてと、帰ろう。
戸締まりもしないと。
立ち上がった時、ちょうどスマホが振動した。
「え……」
ディスプレイに浮かび上がる名前に息を飲んだ。
どうして……?
戸惑いながらも通話マークをスライドさせる。