素直になれない7センチ



————時計の針が九時を指した頃。



「うあー! 終わった〜」

ようやく明日のプレゼン資料が完成した。


帰ったら即行お風呂はいって寝よう!

あ、でもお腹空いたしコンビニでおにぎりでも買って帰ろう。



腕と背中をグッと伸ばして、開放感に浸る。

長い一日だったなぁ。


気づけばオフィスには私だけしかいなかった。

この会社はなるべく残業はしないようにと言われているから、残業をしていても八時くらいには誰もいなくなることが多い。



さてと、帰ろう。

戸締まりもしないと。



立ち上がった時、ちょうどスマホが振動した。




「え……」


ディスプレイに浮かび上がる名前に息を飲んだ。

どうして……?

戸惑いながらも通話マークをスライドさせる。






< 30 / 60 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop