セカンドパートナー
今は並河君への遠慮が薄れている。思い切ってそのことに触れてみることにした。
「今は、他の男子とウワサになるっていうより、並河君との関係疑われてる。さっきも、調理実習中、女子達に並河君とのこと訊かれてさ……。友達だって言ったけど、どこまで信じてもらえたか分からないし……」
「俺と……? そうなんだ……」
並河君は腕組みし、視線をさまよわせて考え込んだ。困らせたかな…?
「それならなおさら、俺の友達と付き合ってることにしたほうが自然じゃない? それなら皆詩織が俺と話してても納得するし、詩織も誤解されて嫌な思いせずにすむ!」
言われてみたら、そうかもしれない。
「でも、そのウソに協力してくれそうな友達、他校にいる? よほど信用できる人じゃないと……」
「いない。作り話だから」
「ウソなの? 私、架空の人物と彼氏になるってこと!?」
それじゃあ完全にイタイ人だよ……。
「こういうのは、下手に第三者入れない方がうまくいくと思うけどな」
「私は助かるけど、並河君がめんどくさくない? そんなウソつくの」
「全然」
キッパリ言い切る。並河君って、最初は大人っぽい人だと思ったけど、こんなイタズラ好きの子供みたいな顔もするんだ。
「じゃ、決まりな。詩織はこれから俺の友達と付き合うってことで!」
「ホントにいいの?」
「これで俺とウワサになることもないし、詩織は平穏な学校生活を送れる」
それが最善と言わんばかりに、迷いのない言い方。人の出方ばかり気にしてフラフラしてる私とは違うな……。
思い切りがいいというか。そんな並河君はかっこいい。