セカンドパートナー
並河君に嫌われるのが、何よりこわかった。
家族以外の存在にここまで心を動かされたのは初めてかもしれない。自分が自分でなくなっていく……。そんな予感に怯えた。
どうしよう。このままじゃいけない。だからって、どうしたらいいかも分からない……。
握りしめた手の中で、知らない男子が書いたメモがやけに重く感じる。
電車に乗り、ホームを移動し、地元の駅から自転車をこいで家に着いても、気持ちは切り替わらなかった。
夕食中、ますます気持ちが滅入った。仕事で年下の上司にコキ使われたとかで機嫌を損ねた父の子供じみた愚痴と、無言で耳を傾けるおとなしい母。
父の不機嫌な声だけが響く、気まずい食卓。いつもより手の込んだ母の手料理も、全然おいしくなかった。
この人達は同じ職場で出会い結婚したと言っていた。どうして夫婦になったんだろう?
そんなことをぼんやり思ってみることで並河君への不安感をごまかしていると、家の電話が鳴った。場の空気から逃げるかのように、母が子機を取った。
「はい、天使でございます。ええ、はい。いつもありがとうございます。少しお待ち下さいね。詩織、電話よ。小山(こやま)さんから」
羽留だ…!