お前のとなりは俺だから
「なんで私がすることになってんの? そもそも、皐月の学校案内を先生から頼まれてたのって、西原じゃん」
私がそう言うと、今まで隅のほうで黙っていた女子たちがっていうか、西原の取り巻きみたいな奴らが一斉に喋り出した。
「そうだよ! 維吹さんの言う通りだよ!」
「真由ちゃんが先生に頼まれたんだから、それに従うべきだよ!」
と、そんなことを言っている。
「ほらほら、みんなもそう言ってることだし」
私が皐月に対してそう言うと、皐月はチッと舌打ちをして、何かをボソリと呟いた。
「え、皐月……、なんか言った?」
私がそう言うと、皐月は私に近づいてくる。
「え、なっ、何……?」
スタスタと近づいてくる皐月に、首を傾げていると、椅子に座っている私の手首を掴んで無理矢理立たせた。
「え、本当になんなの」
私は、少しだけ顔を引きつらせながらそう言う。