お前のとなりは俺だから


すると皐月は、私を腕の中におさめる。


「はっ!? な、なん……」

「しー……。ちょっと黙ってろ」


皐月の掠れた声が、私の耳元を撫でる。


ナニコレ、ナニコレ……。

待って、心臓が……。


皐月に抱きしめられているあたりから、ずっと心臓がドクドクと激しく脈打っている。


「ねぇ、ちょ……皐月……」


ボソボソと私がそう言ったとき、西原の声が聞こえてきた。


「皐月……くん? 何してるの……?」


そんな西原の声がすると、皐月は、抱きしめていた腕を緩めながら、西原の方へと顔を向けた。

そして、ニヤリと不敵な笑みを見せて、「何すると思う?」と、ムカつく顔で言う。


他の周りの人たちがザワついてきたとき……


「こうするんだよ」


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