お前のとなりは俺だから
「お前ら」
そろそろ解放してくれないかな……と、思い出した時、皐月が、教室に響くように声を出す。
女子たちが注目したのを見ると、コイツは、爆弾発言を落とした。
「俺がこの学校に来たのは夏菜に会うためだ。他の奴らなんて、どうでもいい。興味がない。今も昔も、俺はコイツしか見ていない。つーわけで、明日から俺に喋りかけてくんな。以上」
それを聞いた私はというと……
「はぁぁああああっっ!!?」
と、一人だけ大きな声をあげていた。
「え、ナニナニナニナニッ!? ど、どういうこと!? はっ!? 意味分かんないんだけど、えっ!?」
「まぁまぁ、夏菜。落ち着いて、落ち着いて〜」
パニックを起こしている状態の私に、楓が私の後ろから、のんびりとそう言う。
「お、落ち着けるわけ無いじゃん!!」
ってか、なんでそんなに落ち着いてんのっ!?
未だにギャーギャー言っている私を見て、皐月は溜め息を付いた。
そして、私の腕を掴んで、そのまま教室を出たのだった。