知らない貴方と、蜜月旅行
「結婚式もドタキャンされて、それを助けてくれたのが吏仁だったんです」
「……さすが、蒼井さんだな。俺には、そんなことできねぇや」


陽悟さんだけじゃないよ。きっと誰にもできないよ…。


「だけど、やっぱり婚約者が忘れられなくて…。吏仁が探し出して、二人で話せって……」
「ちょっと待って?じゃあ、それって……」


話の分かる男だ。最後まで言わなくても分かってくれるなんて。私も最後まで言いたくなかったから、助かった。


「本当は吏仁に言いたかったけど、近くに元彼がいたし、万が一のことを考えたら言えなかったんです。そしたら、吏仁が勘違いしちゃって…」
「あー、余裕がなかったのかな。あの蒼井さんも」


病院に着くまでの間、結局全部陽悟さんに聞いてもらってしまった…。でも、心なしか少しスッキリできた。


「ほら、行っといでよ。俺、ここで待っててあげるから」
「……はい」
「不安なら付いていこうか?」
「だ、大丈夫ですよ!」


待合室で待って数分。名前が呼ばれると、また得意の冗談で(多分…)私を送り出してくれた。


そして、おそるおそる診察をしてもらい、そして先生から診察結果を聞く。その結果を聞いて、少しビックリしてしまった。


「あ、お帰り。どうだった?」
「陽悟さん……」


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