知らない貴方と、蜜月旅行
「ひ、陽悟さんは!誰かいい人いないんですか?」
「んー?俺?だって俺はさぁ、紫月ちゃん狙いだったからさぁ。儚く散ってしまったわけよ。分かる?この振られた俺の気持ち!」


やっぱりこの人って、よく分からない。吏仁も、ヤレヤレという感じでため息を漏らしている。


「なに、二人して!……まぁ、紫月ちゃん狙いってのは、置いといて。俺は、みんなの陽悟くんだから!みんなの為にも一人でいてあげなきゃでしょ」


みんなの陽悟くん、って…。なんか、どっかの外国人タレントみたい…。陽悟さんもグループ分けしてたりして…。


「で、でも!いずれは結婚とか、しないんですか…?」
「結婚、ねぇ…」


あれ…?結婚のワード出したら、顔色が変わった…?もしかして陽悟さんも結婚直前に振られたとか…?


「どうせ俺には、結婚する資格はないから」
「えっ?」
「陽悟……」


ボソッと聞こえた陽悟さんの言葉。吏仁も知っているのか、眉を下げ陽悟さんを見つめた。でも陽悟さんはすぐに笑顔になる。


「まぁ、いいじゃない!俺のことはさ!あー、俺がいちゃ邪魔ですよねー。お邪魔虫は帰りますよ」
「あのっ!陽悟さん!晩御飯食べて行きませんか?これから作るんですけど…お時間があれば!」


なんでだろう。自分でも分からない。陽悟さんのことってよく分からないし、むしろ苦手だった人物。だけど、なんとなく陽悟さんが寂しそうで、帰りたくない!って言ってるような気がして、とめてしまった。


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