知らない貴方と、蜜月旅行
*永遠の愛を誓います
「紫月、ちょっと付き合え」
「うん、いいけど。どこ行くの?」
「来れば分かる」


あれから一週間が経ち、先生の言うとおり私の怪我が治った。あれから、あの時のようなキスを私たちはしていない。


なぜなら、私が拒否しているから。ヒドイと言われても構わない。だってあのキスに捕まったら、こっちの世界に戻ってきたくなくなるから。


それは吏仁にも伝わってくれて、キスはただ触れ合うのしかしていない。でも、それだけでも幸せなの。吏仁がいる、ただそれだけでも。


「え、吏仁…。ここって…」
「まだ、だっただろ?」
「……嬉しい」


吏仁が連れてきてくれた場所は、ジュエリーショップ。あの時の指輪は、元婚約者さんの指輪だった。だけど、あれからゴタゴタしていて、来る暇もなかったし、私はなくてもいいかなとも思っていた。だから、このサプライズはすごく嬉しかった。


「内緒で作っても良かったんだが、紫月の好きなデザインがいいかなと思ってな」


こういうちょっとした思いやりが、すごく嬉しい。もちろん、吏仁が選んでくれたものでも、きっと私は涙を流して喜ぶよ。だから、どちらでも私にとっては幸せなサプライズだ。


「いらっしゃいませ」
「紫月が、好きなもの選ぶといい」
「好きなものって……」


一応、いくらまでとか言ってくれたら私も選びやすいんだけどなぁ…。


< 172 / 185 >

この作品をシェア

pagetop