知らない貴方と、蜜月旅行
「まぁ。だろうな」
「だろうな、って…気付いてたの!?」
「気付いたっつーか、まあ、うん」
「なによ、はっきりしない」


吏仁は、なにかを隠すかのように私から目を逸らした。なんとなく引っかかったけど、きっと彼にも言いたくないことだってあるだろうし、それを知る権利は私にはない。だから、そっとしておくことにしておいたんだけど。


私が見せた内容は、さっきも言ったけど結婚式のキャンセル料について、だ。普通、飛行機だと、飛行機会社によって違うみたいだけど当日でも、出発前なら100%かからなかったりするらしい。


ホテルや宿も、これもソコソコで違うけど、100%かかったり、かからなかったりするらしい。


ただ、結婚式場だと全然違ったりするのだ。調べた情報によれば、式までの打ち合わせだったり、その日の予約を取ってるわけだから、それをキャンセルするとなると式場に迷惑がかかるわけで…。


結果、解約料金などが発生し、元々かかる料金プラス解約料金などで、実際支払う金額よりも高く払わなければいけなくなったりするらしい。


私が思うに、キャンセルはしようとしたけど、キャンセル料が意外とかかるのを知ってやめたんじゃないのかなって…。そうであってほしくはないけど…。


「ほら、帰るぞ。シートベルトは…してるな」
「うん」


吏仁はシートベルトの確認をすると、コンビニの駐車場から、ゆっくりと車を走らせた。


そして、戻ってきた吏仁のマンション。駐車場に車を止めると「行くぞ」と声をかけられ私は急いで車を降りると吏仁の後ろを歩いた。


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