プレゼント
「うん、やっぱり美樹ちゃんは笑顔が可愛いな。」
ニコニコ笑いながら、私の涙をぬぐってくれた。


「よし、帰ろうか!明日からは、怒涛の3日間だし。」


「はい。」


もう涙は流れなかった。


俊彰さんが私から離れると。


ギュッと、右手を繋がれた。


ビックリして見上げると。


「もう気兼ねしなくて良いみたいだし。これからは遠慮しないからね。」
そう微笑まれた。


一体どういう事だろう……?


でも、全然イヤじゃなくて、むしろ安心すらして。


やっぱり私も、裕也の事は悪く言えないのかもしれない。


今日、裕也に会って、良かったのかもしれない。


モヤモヤしていたのが、スッキリした気がする。


繋がれた右手を、ギュッと握り返してみる。


ビックリした俊彰さんが私を見下ろして、フワッと笑った。


すごい、イケメンの笑顔って、すごい武器だ……。


パティシエの俊彰さんは、遊ばせてる無造作ヘアが似合ってて、ちょっとタレ目の甘いマスクで、女性ファンも多い。


そんな俊彰さんと手を繋いでるところを見られたら、すごく怒られそう……。


彼女さんにも申し訳ない……。


手をそっと離そうとすると、
「ダ~メ。」
と、更に握られて、あげくには指を絡ませる恋人つなぎに!!


「俊彰さん!!彼女さんに怒られちゃいますよ……」
と焦っていると。


「問題ないよ。彼女はずっと居ないから。」

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