音楽プレーヤー
「カケルくんが好きそうな音楽?」
放課後。
あたしはエリに聞いてみることにした。
エリは生まれつきの茶髪がよく似合う、美人な親友。
カケルに恋したあたしを応援してくれた。
1年生の頃クラスが同じで、
2年になって初めて同じクラスになったあたしよりも、
エリの方がカケルについて詳しいだろうと思った結果だった。
「さぁ…。
カケルくん、いつも何聞いているのって聞かれていたけど、
テキトーにはぐらかしちゃっていたからなぁ。
休み時間とかも聞いているから、よっぽど好きな音楽だと思うよ」
「でもカケルとデート行っても、
あんまりCDショップには行かないし、
音楽に興味なさそうな素振り見せるんだよね」
「もしかして恥ずかしい趣味なのかな?」
「恥ずかしい趣味?アニメソング?」
別に好きなら好きで構わないけど…。
何だかカケルのイメージとは違った。
「自分のイメージ崩れちゃうから言わないんじゃない?」
「そうなのかなー?
でもあたしだったら、カケルのこと受け止めるつもりだよ?
カケルのこと、大好きだもん!」
「はいはい、ご馳走様~」
「ふふっ!
エリも恋愛してみな?楽しいから!」
「マナ見ていると楽しいんだなって思うよ。
あっ!
マナ、クレープ屋さんあるから寄らない?」
「クレープ!?
食べる食べるー!!」
あたしたちはクレープ屋さんへと急いだ。