音楽プレーヤー
「おはよー!」
あたしは元気良くカケルに挨拶した。
カケルはイヤホンを外し、にっこり微笑んだ。
「おはようマナ」
「ねぇ何聞いているのー?
もうあたしギブアップだよー」
「しょうがねぇなぁ。
じゃあマナだけ特別な?
誰にも聞かせたことねぇんだから」
はい、とイヤホンの肩耳を貸してくれるカケル。
あたしは「やった!」と言いながら耳に差し込む。
「…へぇー。
カケルってこういうの聞くんだー」
聞こえてきたのは、あんまり有名じゃないバンドの曲。
「マイナーだからさ…。
すっげぇ言うの恥ずかしいんだ。
マナにだけなんだからな?教えたの」
「ありがとうカケル!
今度このバンドの曲、あたしも動画サイトで聞いてみる!」
「それは良い!」
カケルは嬉しくなったのか、
珍しくテンション高めでおススメの曲を教えてくれた。
帰り際にはおススメの曲を書き記したメモを渡してくれたほど。
正直興味なかったバンドだけど、
カケルが好きなら聞いてみようっと!