またね
数分後、看護師さんやお医者さんなどいろんな人が数人入ってきた。
その数分間、芽衣にいろんなことを一気に聞かされた。
でもいろいろ言われすぎてよくおぼえていない。

「わかりますか?気分は悪くないですか?」
看護師さんに呼ばれた。
「はい」

「良かったわ~見たところ以上なさそうね。一応質問に三つ答えてもらってもいいかしら」

ん…?なんか似たような言葉どっかで聞いたような…

「葵さん?聞いてる?」

「あっ、ごめんなさい。もう一回お願いします。」

「大丈夫?気分悪い?まだ悪かったらあとからでもいいのよ」

「大丈夫です。」

「そう?じゃあ一つ目ね。
名前を答えてもらってもいい?」

「西川葵です」

「二つ目、誕生日は?」

「8月10日です。」

「じゃあ最後、三つ目ね。
今日は何日でしょうか?」

う~ん、今日は確か7月9日だったはずだから

「7月9日」

「正解!よし大丈夫そうね。
でも事故で車と衝突なんて痛かったでしょう?骨折もているし」

「ああ、まあ…はい」

正直のところ葵はあんまり覚えていなかった。

「そうよねえ~。あっ!そうだった!葵さん、今日から1カ月ほど入院だから親御さんの連絡先を教えてもらえる?

え…入院するの?無理なんだけど

「入院は少し勘弁してください。無理です」

「う~んそういわれてもねえ…さっきお友達の芽衣さんだったかしら、あの子に聞こうと思ったんだけど教えてもらえなくてね」

「ああ、芽衣には何も言わないでって言ってますから。仕方ないです。じゃあ連絡だけしとくので…」

「ん~わかったわ、今日中によろしくね。じゃあとりあえず失礼するわ。何かあったらいつでもいってね」

ふう…優しい看護師さんでよかった。

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